• Variation 57 for Two Pianos and Chamber Orchestra(2019)

      Chamber Music
    • Maki Namekawa & Dennis Russell Davies (piano duo)/Music Future Band

    • Duration - 16:55

    • Movement 1 7'

    • Movement 2 2'

    • Movement 3 9'

    Variation 57 for Two Pianos and Chamber Orchestra

    MUSIC FUTURE Vol.6のために書き下ろした新作は、2台のピアノと室内オーケストラで演奏される。3楽章形式だが、第2曲は2分弱の短い曲で第1曲と第3曲のブリッジのような役割を果たしている。作曲のスタイルは久石が提唱しているSingle Track Musicという手法でできている。ここでは和音がなく、ただ単旋律が変容しながら続いていく。だが、ある音が高音に配置され、またある音が低音に配置されると3声のフーガの様に聞こえ、また発音時は同じ音でもそれがエコーのように弾き伸ばされると和音的効果も生まれる。

    今回も概ねその手法でできているが、第2曲はより自由な形式で和音もあり、奏者の即興性に委ねられている。それは滑川真希、デニス・ラッセル・デイヴィス夫妻への信頼の証であろう。

    Variation 57は文字通り各楽章の3つのモチーフのほか57のヴァリエーション、変奏でできている。久石は「ニューヨークの57thストリートに滞在していた時に着想し、スケッチも書いた」と語っている。また第3曲は現代の音楽では珍しく、2016年のダンロップのCM(福山雅治が出演)とした書いた曲をベースに作られている。