• “World Dreams” Suite(2019)

      Orchestra
    • New Japan Philharmonic World Dream Orchestra

    • Duration - 12:46

    • I.World Dreams 4'

    • II.Driving to Future 4'

    • III.Diary 5'

    “World Dreams” Suite

    「World Dreams」は、2004年に新日本フィルハーモニー交響楽団と活動を始めたWORLD DREAM ORCHESTRA(W.D.O.)のために作曲した。

    2001年に9.11(米同時多発テロ)が起きてから、世界はバラバラになり、今までの価値観ではもうやっていけなくなるという感覚が自分の中で強くあった。だからこそ、世界中の人々が違いを言うのではなく、世界を一つの国として捉えるような曲、つまり国歌のような朗々としたメロディーの曲を作りたいと思った。

    作曲していた当時、頭を過っていた映像は、ビルに突っ込む飛行機、アフガンやイラクの逃げまどう一般の人々や子供たちだったが、2022年の現在、それはウクライナの人々に変わっただけで世界は何も変わっていなかった。世界はどこに行くのか? 絶望的な気持ちになるが、それでも僕は”世界の夢”(World Dreams)である平和な世界(もしそういうものがあるとしたら)がいつか訪れると信じたい。

    その「World Dreams」の組曲を作りたいという構想はずっとあったが、2019年に、様々な仕事で書き溜めた楽曲をもとにした3管編成(約90人)の約13分の組曲として完成した。3曲からなり、上述の1.World Dreams、ミニマル的で軽快な曲となった2.Driving to Future、そして、3.Dairyはやはり国歌に通じる厳かな楽曲になった。

    初演は、2019年のWORLD DREAM ORCHESTRA Tourで、作曲者本人の指揮で行った。

    久石譲